赤い青春18きっぷを訪ねて3000円

赤井切符

 赤い18きっぷをご存知だろうか。詳しくはグーグルなどで調べろ。この切符はJR東海エリアでは買えない切符である。ただひとつの駅を除いて。その駅とは米原駅。某掲示板によれば売り切れ間近とのことだったので土曜日に早起きして行ってきた。アニメも見ないで。
 朝7時半名古屋駅。土曜日ということで朝から駅は活気付いていた。窓口では旅行に行くのか仕事に行くのか知らんが客がたくさん。今日使う切符は自動券売機で買えるらしかったので、窓口をスルーして券売機に向かう。ホントに買えたよ「青空フリーパス」。この切符を使うことによって名古屋米原間往復2560円が2500円になるのだ。それだけでは得なのか損なのかようわからーせん*1のだけれど、単純に往復するだけの値段で東海エリア乗り放題というのだからフリーパス使ったほうが500倍はお得である。しかもこの切符は伊勢鉄道線にも乗れるっていうことで、三重方面に行くなら18きっぷ使うより安上がり。もっとも休日にしか使えないのだけど。
 無事に1日乗車券(こういう言い方もヘンだな)を入手していざホームに向かわんとしたときポケットから小銭が落ちてしまった。虎の子の100円玉である。慌てて拾おうとしたら後ろにいた綺麗なお姉さんが拾ってくれた。ありがとうございました。…というようなアクシデントもあったのだがなんとか米原行き列車に乗り込む。もう売り切れていたらどうしようと心配して某掲示板を見てみると在庫はありそうな雰囲気。それにしてもこの日は寒かった。暖冬とかウソだろ?
 岐阜あたりから妙な団体が乗ってきた。私の向かいに座ったおっさんは次長とか呼ばれてて、しかも鉄道マニア。課長もいたかどうかは知らない。その次長さんが部下の女性に○○系がどうとかあのへんに撮影場所があるとかいうような鉄道知識を披露している間に米原に着いてしまった。いよいよ赤券とのご対面である。なんつーか…ペランペランだな。うっかり破っちゃいそうだよ。そうならんように封筒までくれた。無事に目的のブツをゲットだぜしたので某掲示板に報告後、どうしようかしばし悩んでいた。このまま名古屋に帰ろうか、それだと乗り放題切符がもったいない……。時刻表を見ていたらちょうど長浜行きの列車が出る時間だったんで追加料金で乗車券を購入して長浜へ行くことにした。行き当たりばったりの無計画だなあ。
 長浜駅はすぐ近くに琵琶湖というなかなかの立地である。早速琵琶湖を眺めに行った。…どう見ても海です。本当にありがとうございました。水を舐めてみれば海ではなく湖であることを実感できたのかもしれないが、琵琶湖の水は公害になってるみたいな話を昔学校で習ったような記憶があるのでやめておいた。これぞ風評被害。琵琶湖関係者や滋賀県知事あたりが見たら卒倒しそうな文章だがどうか勘弁願いたい。名古屋県民の妄言です。
 長浜城をスルーして米原に戻ったのは昼前。そろそろ腹もペコちゃんな時間帯である。駅弁でも購入しようかなんて思っていたら大垣方面のホームは長蛇の列。おいおい、18きっぷシーズンでもないのに…。もしかして赤券目当ての鉄ちゃんズか?行列ができているということはそれに並ばないと座れないということで、仕方ないが駅弁は諦めた。諦めたおかげで座ることができた。大垣まで30分ほど寝て、名古屋方面の快速に乗り換え。このまま帰るのはやはりもったいないので岐阜で途中下車。高山線経由で帰ろうという魂胆である。
 この日使った「青空フリーパス」は18きっぷと違い特急料金を追加すれば特急列車にも乗れる代物である。そして岐阜から目指す美濃太田までの特急料金はなぜか格安に設定されている。となれば乗るしかないでしょう。その特急が来るのは1時間後。それまで岐阜駅周辺をぶらつくことにした。まずはなんといっても腹がペコちゃんだったので近くにあったうどん屋に入る。うどんよりそば派なのだが別にうどんが嫌いというわけでもないです。そのうどん屋、店内のBGMがアニソンだらけだったのは参った。いや、妙な気分になった。自分が滞在した20分程度の間にはぴねす!だのキャベツアニメ(夜明け前より瑠璃色な)だののOPかED(忘れました)が流れていたのを確認。わかってしまう自分が情けない……。
 というような事件?が岐阜であったのだけれど、無事に特急「ひだ」の座席を確保し美濃太田を目指す。自由席なんで20分前から並んでおいた。この特急は下呂温泉やら飛騨高山を目指すってんで乗客のほとんどは観光客と思われる。うらやましいねえ。鵜沼付近になると車掌さんのアナウンスで「右手に犬山城が見えます」とか「右手に木曽川が見えます」とか言ってた。さすが特急列車。乗り心地もいいし、310円余分に出費した甲斐があったよ。ところで車掌さんが言ってたけど彦根城も国宝なんだと。長浜なんぞに行ってる場合ではなかった。
 夢の特急列車に30分で別れを告げて美濃太田に着いた。未乗区間の「太多線」に乗り換えである。太多線では乗客の多くは年配の方々、他に地元女子高生など数人というのはさすがローカル線といったところ。この路線に沿って昔国道248号線が通っていたのだが、バイパス道路ができたためかつての国道はなんでもない道になっていた。かわいそうな道路だ。
 太多線の終点多治見に着いたら目の前に名古屋行きの列車が停まっていた。これに乗れば一気に名古屋である。しかしそれはさすがにもったいない…ってなわけで多治見の街(?)に降り立ってみた。地方都市ムードが漂う街だった。小さいデパート風の建物があったのだが、そこもいかにも…てな具合。長浜もそうだったが、こういうまったりした雰囲気、嫌いじゃない。
 多治見をぶらついて名古屋へ戻ったのは午後4時だった。なんだか非効率的なフリー切符の使い方だったな。

*1:名古屋弁で「よくわからない」の意味